一休禅師の歌

 

雨あられ 雪や氷と へだつれど 解くれば同じ 谷川の水 (一休宗純禅師)

一休禅師の歌です。差別の相をそのままに写して、その根底の何物にも囚われない智慧。流れの中で囚われなくともスラスラと物事は循環することに変わりはありません。
生命の輪廻もまた斯くのごとし。

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直心(じきしん) 〈正直〉であることの大切さは、どなたも認めるところでしょう。 ひたむきな心を「直心(じきしん)」といいますが、この「直(なお)」の語には〈言動や工夫をしないさま、まったく工夫をこらさない……〉という意味もあります。

つまり〈正直〉とは「まったく何もしないこと」と言えなくもありません。恣意的なことという注釈が入りますが……。

「直心是道場(じきしんこれどうじょう)」―― 分別妄想のない心になれば、即今その場が清浄な道場即ち悟りのまっただ中となる。『禅林句集』

この道場となった場を「まったく何もしない……」から転じて、精一杯に生きぬくことが自身に問われます。

何物にも囚われない素直な心、「まったく何もない心」だからこそ、生きるエネルギーとなるでしょう。 「直心」、直い心とはこういうことかも知れません。

by 「祈り」と「願い」 2013/5/29(水)ブログ掲載